巡り巡る季節の途中で

わたしが初めて買ったジャニーズのCDは嵐の「時代」でした。発売が2001年8月1日だったのでちょうど10年前の今くらいの時期のことです。その年の春、就職活動の鬱々とした時期の真っ最中になんとなく耳に入ってきた「頑張るさ!負けないのさ!」のフレーズがずっと頭に残っていて、なんとなくCDを借りたのが嵐を好きになったきっかけだったような気がしますが正直その辺はぼんやりした記憶しかないです。そして夏になり「暑すぎてこれ以上スーツ着てうろうろしてたらしぬ」という至極ふざけた理由で就職活動をやめ、毎日狂ったように時代のPVを何度も何度も見ていました。本当にかっこよくて何十回見ても全然飽きませんでした。これは今でもすごく鮮明に覚えています。当時のわたしにとってシングルCDというのはすごく敷居が高かったというか「2〜3曲しか入ってないのに1000円てたけーよ」という意識が強くて、それでもシングルを買わずにはいられなかったあの時の気持ちは今こうやって思い返すと微笑ましいワァと思うと同時に忘れたくないなあという思いもあります。FCの入会方法もうちわの作り方も正しいジャニーズファンのやり方(笑)みたいなものは何一つわからないし、身近にそんなこと知ってる人もいないし一体何をどうしたらいいんだろうかというところからスタートして試行錯誤しつつジャニーズのファンをやっているうちに10年経ってました。
嵐が面白いとかかわいいとか仲良しとかそういうのはわたしにとって二の次で「あらしかっこいい!すき!翔くんかっこいい!」て感じられるかどうか、自分にとっていちばん大事なのはそれだけなのかもしれないなとあの日初めてCDを買ってから10年経った今改めて思います。そしてその価値観は今もわたしがアイドルを嗜む上での原点なのだろうな、と。19歳のさくらいくんもかっこいいし29歳のさくらいくんもかっこいい、その事実でわたしには十分なのかもしれません。
今、わたしがいちばん好きなアイドルはさくらいくんが事務所に入った年に生まれました。彼が憧れている先輩はさくらいくんなんだそうです。そして彼は当時14歳でCDを出したときに言ったんです、「ジャニーズに入ったから、デビューしたから成績が落ちたって思われたくないからテスト頑張った」って。さくらいくんも同じようなこと言ってたよなあって、なんていうか1周まわったんだなあというような気がして妙に感慨深くなりました。
大袈裟な言い方だけど、10年前最高にかっこいい嵐に出会って最高にかっこいい嵐がずっといたからわたしは今ここにいます。どうかこれからもずっとわたしの最高にかっこいいアイドルでいてください。